続^3 MC カートリッジ専用管式フォノイコライザーアンプが現実的か確認するためデザインしてみた

今回の話題

初段五極管による増幅回路の負荷抵抗に 15MΩ程度以上はほしいことが前回の検討で判りました。しかし、この抵抗値を負荷抵抗とすると電源電圧が 15kV 程度必要なことも判りました。

そんな高い電圧の電源は準備をするのは大変ですし、運用も難しい。そして 15kV の電位差に 1mA 流れれば 15×10^3×1×10^-3=15Wの発熱も伴います。それだけ発熱するということは、抵抗の雑音も大きくなりますし、部品調達の観点からも、地球へのやさしさの観点からもお勧めできない方式でしょう。

とすると電源電位は下げ、インピーダンスとしては 15MΩ以上を維持した能動負荷(アクティブロード)を使うのが一つの解決方法でしょうか。別な見方をすると定電流負荷です。作動範囲は、電位差範囲が 1.8Vp-p で電流は使う五極管次第。

この場合難しいのは、単純に正常に定常作動している場合(静特性、特にDC特性)のみみると一見安定した回路でも、ちょっとその安定点を外れるとどこか極端に寄って行ってしまうことはよくあります。現実の話で言えば電源が入った起動時などで、よく半導体回路の話に出てくるような「上に張り付く」とか「下に張り付く」とかして狙った動作点に行ってくれないなどあります。

以上をまとめますと:

  1. インピーダンス 15MΩ以上のアクティブロード(定電流源)
  2. 1.8Vp-p の振幅で 1 を満たす動作
  3. 低雑音(0.5mVrms程度?その後のゲインと効率次第だからなんとも・・・)
  4. 2 の動作範囲に安定的に収まる安定性

4 の性質は使う真空管との組み合わせでそうなってくれれば良いでしょう。

案1

初段のみ取り出して示しますが、安直な回答としては、

6267_6267

こんなのが簡単です。上も下も同じ管を使ってしまう。

ちょっと真空管アンプを自作されるかたならすぐ気が付くでしょうけれど、五極管ではなく三極管ですと良く見かける設計パターンです。いわゆる SRPP と構造がそっくり。というかそのまま?

まあ、動作点やらなんやらで SRPP になるのか?とかあるのですが、単純に見かけは一緒になります。設計の意図としてはプッシュプル動作を目差しているわけじゃなくて、あくまでも上側に載っているのはアクティブロードという思惑なので、そういう意味ではこれはSRPP 回路ではありません。(笑)

EF86 の場合、これで上記 1~4 を満たせます。この場合の課題は、上(U2)の G2 電源 V4 をどうする?ということと、それ含めてバカ高い値段の EF86 を 1 チャンネルで二本も必要として、ステレオで都合四本も必要なので、それだけで財布に大変優しくないものになってしまうところでしょうか。

EF86 ではなくて、6AU6 や 5702 あたりでやるなら一本の値段も十分の一以下とかになるので上側の G2 電源さえ解決付けばこれが一番気楽な方法でしょうね。

あと、EF86 の場合しか検討してませんが、若干ゲインが足りません。ようするに上のインピーダンスが 15MΩに若干届いていない。けど、まあ概ね許せる範囲です。

だれか EF86 をいっぱい持っている御大尽が試してくれないでしょうかねぇ・・・

続く

SRPP と書きましたが、本当のところは SRPP ではありません。もどきです。

ちゃんとした SRPP ですと R1 の上側(U2 カソード側)から出力を取り出します。

まあ、配線をサボろうという感じでしたが、SG 電源を検討しているうち、かなり大掛かりな回路になってきてしまったので、いっそのこと R1 の上から取り出した方がいろいろ特性もよろしいのでその様に変えて検討中です。実際の検討中のものですと実は U1 の SG 電源も普通の Rsg + パスコンにしちゃってます。これで十分なので。U2 の SG はそういうわけにはいきません。

続く

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