MC カートリッジ専用管式フォノイコライザーアンプを企画してみた

さて、MC カートリッジ用のヘッドアンプを試作して使ってみて考えたのですが、MM レベルを経由せず、一気に MC 出力からラインレベルを目指したフォノイコを作れば、管式(真空管)でも十分な低雑音のものが作れるのではないか?と思いました。

この場合、初段で一気に振幅を引き上げる必要があるので、初段は五極管が妥当に思えます。高増幅率の三極管 12AX7 の増幅率でも不十分かと。もちろん多極管でも三極管接続したらもったいないわけです。初段でガツンと一気に増幅する必要があるのですから。

まあ、裏技的に正帰還で増幅率を稼ぐというのもありですが、対内部雑音と考えると、あまり良いアイデアには思えず。

MT 管ですと EF86 とか、7ピンの 6AU6 とかでしょうか。

RIAA 特性は、なんか面倒なので CR 型で合わせましょう。そうすると RIAA 特性の CR フィルターで一旦信号レベルが落ちるので、その後でもまたガツンと増幅が必要ですが、そこは多分 12AX7 程度で十分かな?

「多極管増幅回路」→「三極管バッファー回路」→「RIAA フィルター」→「三極管増幅回路」→「三極管バッファー回路」といった構成でしょう。三極管に双三極管を使っても左右チャンネルで都合 3 本と、多極管は 2 本必要。全部で 5 球。

あと、初段でさらに増幅率を稼ぐために、負荷抵抗をアクティブ抵抗にすればさらに稼げる。同じくらいに増幅率を稼ぐに単純な抵抗とかだと 2MΩとかそんな値になるのでそうなると今度は B 電源電圧が余裕で数 kV クラスになってしまいます。そんなのは現実的ではないですし、そうなると負荷抵抗で数十 W の浪費が起こり、地球温暖化を促進してしまいます。なので却下ですね。

アクティブ抵抗はどう構成するかですが、純潔球主義なら球で構成でしょうけれど、ここはひよって J-FET でも使うのが対雑音的にも良いかと。設計と調整が難しくはなりますけれど。

こうすれば初段で千倍以上を稼げる可能性が出てきます。雑音的にこれならいけそう(そんな感じで次にやってみました)。

電源は、ヘッドアンプでの経験からして最初から安定化電源にしましょうか。できれば対地球温暖化と商用電源線に対する力率改善も考慮してスイッチング電源を最終的には目指したいか?

ちょっと前までは力率を悪化させる源としては、PC の電源が多かった様です。でも今の PC 電源は力率改善回路が入っているものが多いはずで、悪化原因としては減っているはず。

冷蔵庫や洗濯機はとっくの昔からインバーター方式になっており、これも力率改善回路が入っているので、以前から優等生です。エアコンもね。

実は最悪なのが、未だに大容量電解コンデンサで平滑しているピュアオーディオ機器だそうです。AV 系機器とかは、多くはもうスイッチング電源になっていて、これも力率改善されているので、悪者としてはピュアオーディオ機器が残っている。

で、いずれここも聖域ではなくなると思うんですよね。

実はうまいこと設計したチョークインプット平滑回路なら、そんなに悪い力率にならないように出来るのですが、チョークインプット回路用のチョークコイルは高かったりなんだったり・・・殊にパワーアンプの電源と考えると、ある程度以上に電流も流れるのでチョークがうるさく泣いたりするので、対策した専用品じゃないと厳しいかもしれないわけです。

まああとは重量を軽く作れるとか、電源効率とか考えれば、スイッチング電源へ移行することは必然的な話に思えます。スイッチング電源のノイズ対策は大変になるんですけれどね。

で、そんなこんなでいろいろ考えていると全然関係ない話ですが、ご家庭内の電気を使う機器で交流電源である必要性のあるものって今やそれこそピュアオーディオ機器くらいで、あとのほとんどの機器は内部で直流電源を作り、それをまた局所で DC-DC 変換してたりということで、直流給電でも全然問題ない気がしてくる。

蛍光灯でさえもほとんど今はインバーター式ですしね。白熱灯は LED に切り替えているわけですし。

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